環境中での残留性が高いPCB、DDT、ダイオキシン等のPOPs(Persistent Organic Pollutants、残留性有機汚染物質)について、一部の国々の取組のみでは地球環境汚染の防止には不十分だという国際的な合意に基づいて、POPs(残留性有機汚染物質)の廃絶、削減等について、2001年5月に「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」が採択されました。
プラスチックは紫外線や波で砕かれ小さくなっても分子レベルで分解されなければ性質は変わらず、POPsが付着する核となり生物の身体に入ってきます。小さなマイクロプラスチックになれば気づかないうちに摂取してしまいますし、ナノサイズになれば細胞膜の中にも浸透してしまいます。食物連鎖の頂点にいる人類は、食物連鎖に伴う濃縮というリスクにもさらされており、生殖機能にも影響があると言われています。
「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」の内容と締結状況は下記の通りです。
●条約の目的
リオ宣言第15原則に掲げられた予防的アプローチに留意し、残留性有機汚染物質から、人の健康の保護及び環境の保全を図る。
●参加各国が講ずべき対策
[1]製造、使用の原則禁止(アルドリン、エンドスルファン類、エンドリン、クロルデコン、クロルデン、短鎖塩素化パラフィン、ディルドリン、ヘキサクロロシクロヘキサン類、ヘキサクロロブタジエン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサブロモビフェニル、ヘプタクロル、ペンタクロロフェノール又はその塩若しくはエステル、ペンタクロロベンゼン、ポリ塩化ナフタレン類、ポリブロモジフェニルエーテル類、マイレックス、トキサフェン、PCB、ヘキサブロモシクロドデカン)及び原則制限(DDT、PFOS及びその塩・PFOSF)
[2]非意図的生成物質の排出の削減(ダイオキシン、ジベンゾフラン、ヘキサクロロブタジエン、ヘキサクロロベンゼン、ペンタクロロベンゼン、PCB、ポリ塩化ナフタレン)
[3]POPsを含むストックパイル・廃棄物の適正管理及び処理
[4]これらの対策に関する国内実施計画の策定
[5]その他の措置
新規POPsの製造・使用を予防するための措置
POPsに関する調査研究、モニタリング、情報公開、教育等
途上国に対する技術・資金援助の実施
●締結状況
2004年5月17日に50ケ国の締結により条約が発効。
2018年12月現在151ヶ国及び欧州連合(EU)が署名、我が国を含む181ヶ国及びEUが締結。
環境省のサイトには「POPsとは、難分解性、高蓄積性、長距離移動性、有害性(人の健康・生態系)を持つ物質のことを指します。POPsによる地球規模の汚染が懸念され、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約)が2004年5月に発効しています。」と記載されています。
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