環境省による『IPCC「1.5 ℃特別報告書」の概要』資料によれば、1.5℃特別報告書の主なポイントは下記の通りです。
■気候変動は、既に世界中の人々、生態系及び生計に影響を与えている。
・工業化以降、人間活動は約1.0℃の地球温暖化をもたらしている。
・現在の進行速度では、地球温暖化は2030~2050年に1.5℃に達する。
■地球温暖化を1.5℃に抑制することは不可能ではない(※1)。しかし、社会のあらゆる側面において前例のない移行が必要である。
・CO2排出量が2030年までに45%削減され、2050年頃には正味ゼロに達する必要がある。メタンなどのCO2以外の
排出量も大幅に削減される必要がある。
■地球温暖化を2℃、またはそれ以上ではなく1.5℃に抑制することには、明らかな便益(※2)がある。
■地球温暖化を1.5℃に抑制することは、持続可能な開発の達成や貧困の撲滅等、気候変動以外の世界的な目標とともに達成しうる。
(参考:IPCC 「Global Warming of 1.5℃ Presentation to the wrap-up of the Talanoa Dialogue preparatory phase」)
なお 同資料は、IPCC事務局がCOP24においてSR1.5の内容を簡潔に説明するために作成したものである。
※1 ただし、その実現可能性について「単純な回答はない」ともされている(実現可能性についてはスライド70頁参照)。(IPCC SR1.5 52頁 第1章 エグゼクティブサマリー)
※2 例えば、地球温暖化を1.5℃に抑制する過程でもたらされる大気質の改善は、人々の健康面に直接的及び即時的な便益を与えることが示されている。ただし、地球温暖化を1.5℃に抑制するために必要な総緩和費用に関する文献は限定的であり、1.5℃特別報告書では評価されていない。
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