産総研などの研究グループが海洋生分解性プラスチックの分解率を改善。

産業技術総合研究所(産総研)などのグループによると、今井研究グループ長らは、ポリ乳酸とLAHBを溶媒に入れて混ぜた。できたフィルムは透明で、両者がナノレベルで混ざっていた。含まれる乳酸と3-ヒドロキシブタン酸の割合が違うLAHBを4種類用意し、それぞれポリ乳酸とLAHBの比を3段階に変えて、伸びや生分解性の変化を調べると、乳酸とブタン酸が4対6のLAHBをポリ乳酸に20%加えたもので、伸びが200%(長さでは3倍)以上に改善した。

LAHBをブレンドしたポリ乳酸を海水中に置き、有機物が微生物によって分解されるときに消費される酸素量を測るBOD(生化学的酸素要求量)試験で、LAHBだけが分解した場合の理論値である生分解度約22%を超え、停電で実験が終了した155日までに生分解度が50%近くまで達した。

今後は、ポリ乳酸の分解性が高くなるLAHBの混合比やナノレベルの構造を調べ、バイオ資源由来プラスチック材料としての実用化を目指す。

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