「プラスチックは石油からつくられる」ということを耳にしたことがある人は多いと思いますが、石油は液体ですしプラスチックといえば固体です。具体的にはどういうプロセスでつくられるのでしょうか。
地下から採掘された「原油」は石油精製工場の蒸留塔で加熱され、気体になる温度の差さを利用してガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油、アスファルトなどに分けられます。
次に、35~180℃の温度帯で蒸留された「ガソリン・ナフサ留分」からナフサを取り出し、ナフサ分解工場で更に加熱してエチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンに分解します。
これらは塗料の原料にも使われたりしますが、分子構造を結合させる「重合反応」をさせることでポリマー(重合体)にするこができ、分子量が1万以上の化合物を「高分子化合物」と呼びます。これがプラスチックです。
ポリマーになったエチレンがポリエチレン(PE)、ポリマーになったプロピレンがポリプロピレン(PP)です。
英語の「plastic」は、本来「可塑」とか「自由に形をつくれる」という意味ですが、この性質をもつ製品として合成樹脂を「プラスチック」と呼よぶようになりました。
また、モノマー(単量体)やポリマー(重合体)を反応させて繋ぎ合わせることで様々な特性をもったプラスチックができますが、重合反応させることで液体だった石油が固体になります。
ちなみに、日本ではナフサうちの約6%がプラスチックに加工されます。
プラスチックの解説ではありませんが、プラスチックの原料となるナフサについて有機溶剤の専門家が解説したYoutubeチャンネルがありますので、ナフサについてご興味のある方はこちらをご覧ください。