拾いたくても拾えない漁業者のジレンマ

漁師の皆さんは、「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約(通称:ロンドン条約)」に従って漁業を操業しています。

2018年の改定では、船舶からの海洋プラスチックごみ対策に係るIMOアクションプランに関し,LC/LPの関与についてIMO海洋環境保護委員会(MEPC)に提案することに合意しました。

この条約により、操業中に回収したごみの処分費用は漁師が負担することになっており、現在は行政の支援がほとんどないので、漁業者の皆さんは持ち帰った後の処分費用を自己負担できる分だけしか拾うことができません。海をキレイにしたい漁業者はたくさんいますが、流出しているプラごみが多すぎるので、海でプラごみを発見してもその都度積極的に回収することができない状況です。

■条約概要

廃棄物その他の投棄に係わる海洋汚染防止に関する条約(通称、ロンドン条約)は、1972年の海洋汚染防止国際会議(ロンドン会議)での採択に基づき1975年に発効しており、その目的は、放射性廃棄物その他の廃棄物の海洋への故意の投棄を制限することにある。この条約では、(1)投棄禁止の廃棄物、(2)投棄のため適当な国家機関の事前の特別許可を必要とする廃棄物、(3)投棄のため事前の一般許可だけを必要とする廃棄物と、投棄規制の違いによって3つに区分されている。1993年の会議では、海洋投棄禁止対象の物質が高レベルのもののみから「放射性廃棄物およびその他の放射性物質」(「放射性廃棄物等」)に拡張された(「ロンドン条約の改正」)。25年以内に低レベル放射性廃棄物等の海洋投棄の禁止措置は再検討されることになっている。また、デ・ミニミス・レベル(規制除外レベル)以下のものは禁止対象としないが、IAEAの検討を待って採用することになった(「免除レベルの追加」)。
 ロンドン条約による海洋投棄規制を強化するため、「1996年の議定書」が採択され、2006年3月に発効している。

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