第5回国際プラスチック条約のための政府間交渉委員会(INC-5)が11月25日から12月1日まで韓国・釜山で開催されましたが、残念ながら今回の会合での合意を断念したことを発表して閉幕になりました。
専門識者の間では、先進国と発展途上国の間で意見が食い違う、いわゆる「南北問題」が懸念されていましたが、今回の会合でも焦点だった生産規制を巡る対立は交渉を重ねるほど激しくなり、国連環境総会で決議した「2024年末」という策定期限を守ることはできませんでした。
今後、政府間交渉委員会で合意を目指す条約には、新たな流出防止策だけでなく、既に環境中に流出・蓄積しているプラスチックの問題についての条文を設けることが想定されており、交渉委のルイス・バジャス議長が1日に公表した条約の草案には、既にプラ汚染の影響を強く受けている区域などを特定し監視していくこと、環境に配慮した方法で回収することなどが盛り込まれていますが、こうした取り組みは絶対に守らなければならない必達義務ではなく、努力義務になることが予想されています。